ご本の虫

読んだ本、マンガ、見たドラマ、映画の記録

千早 茜 森の家

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最近、読みふけっている千早茜

物語を描く力がすごい

自分のことを書かれているような、圧倒的共感
身内の息苦しさと、他人との距離感
田んぼにはまって抜けなくなった感覚から追いかけて思いきりコケる痛みまで、感覚が近くに感じすぎる

いきなり出て行く男の人

ホント男の人って出て行きますよね

別離、特に死別の特別

結末は幸福なので、安心して読めます








青山 七恵 すみれ

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装丁にひかれて、読み始めたのですが、中身もなかなかすてきな物語でした

15歳から16歳の女の子が主人公
両親の友人の女の人が居候はじめて…

子供から大人へ成長する主人公の、幼なさから、大人への気づき
壊れかけた大人と、偏った個性

ちょっと後半は、腑に落ちないシーンもありましたが、その年代に出会った人の影響力の大きさは、後々まで、ひびいていくものだということを、思い出させてくれます




村上春樹 職業としての小説家

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高校生から村上春樹ファン
全作読んで、持っています

小説家として、小説をどう書いてきたかというか、村上春樹さんの生きざまが、とつとつと、丁寧に語られています

自分の井戸におりていく、という表現は、作品に通じるものがありますが、自己表現の原点を教えられます

個の回復スペース…

読みごたえがあり、いろんな問いの答えをもらえる一冊です


逃げるは恥だが役に立つ

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Kissで連載中のマンガ
女性向けですが、仕事、結婚、ライフスタイル、がテーマなので、そのテーマで悩んでいる人なら、誰でもおもしろく読めそう
主人公は、20代後半で、大学院を出て臨床心理士の資格までもっているのに、就職活動に失敗。
第二の人生を田舎で送りたい両親と別々に暮らさなければならなくなり、家事代行のアルバイトで知りあった、36歳独身の草食系メガネさんのお客さんに、住み込みで家事をやるための契約結婚を申し入れます
そうしたら、同じ会社の独身男性からも需要があって…
こうだったら、ああだったら、の幻想が結構おもしろくて、女性は高校生で出産すればいい
育児休暇もとりやすくて、
子育ての一番大変な時期は、20代前半で終わるので、仕事にフルであたれる
子供が成人するころはまだ、30代後半なんで、そこからまだまだ違う人生をやり直せる、
って話が、ホントにそうなればおもしろいなと思いました

ベッカライビオブロートのパン

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地元のパン職人さんが書いた本。
自分と同年代の関西の男性。
ビオブロートは、オーガニックなドイツパン専門の芦屋のパン屋さんで、
今や、芦屋の代表的なお店のひとつですが、実家がパン屋でもなく、パン職人になろうと決めてから、会社をやめて
、ドイツにマイスターの資格をとりに行き、開業するまでのおはなし。
パン屋になりたい人でなくても、その意志の強さや、健全な精神は健全な肉体に宿る的な、村上春樹を思わせるような生きざまに、あこがれずにはいられません

ますます、ビオブロートのパンが好きになります

影武者徳川家康

マンガです
ジャンプに掲載されていたらしいけど、ジャンプ世代よりは、もっと大人向けの作品のためか、途中で打ち切りになって、島左近を主人公にした作品として、再開したらしい。
徳川家康が、実は関ヶ原の戦いの最中に戦死し、影武者がかわりに戦っていた、という設定。
そして、関ヶ原以降、豊臣家を守ろうとして、二代目秀忠と確執を続ける、というおはなし。
違う視点から見た、関ヶ原の戦いと、豊臣家滅亡までと、周囲の魅力あふれる武将たち。
前田慶次を描いた作者の隠れた名作。
掲載誌が違えば、もっと人気が出てもっとおもしろかったのに、と思うと残念。

億男 川島元気

身内の借金3千万を背負わされた男が、3億の宝くじを大あてする
もちろん、借金はちゃら。
これからは、欲しい物は何でも買えるよ!人生をやり直せるよ!
それにNO!を突きつける、別居中の妻。
お金と幸せの関係を問いかけ続ける、読みやすい哲学書のような本作。
お金=欲=人生=幸せ
お金が大きすぎると、人は、本質的な、人生を豊かにする欲をなくしてしまい、
お金がないと、お金があれば欲を満たせるとしてお金を稼ぐことに執着しすぎて、豊かに生きる気持ちをなくしてしまう
そのバランスの難しさを考えさせられます